上出さんの活動を教えてください。

僕は水中写真を もっと上手く撮りたい人のためにセミナーを行なったり、ブログで発信したりしています。創作活動ももちろんおこなっていますが、基本的に人に教えることが中心ですね。

活動当初から、一眼レフのような上等なカメラを使っていたんですか？

いや、最初はシュノーケリングとかで写ルンですとか使ってましたよ。

インスタントカメラ！！(笑）

RINAさんはなんでダイビングを始めようと思ったんですか？

私は高校生まで佐賀県で過ごしていたんですが、大学進学をきっかけに沖縄へやってきました。 9年間競泳をしていたこともあり、水中世界が大好きだったので、大学では沖縄らしさもあるダイビングサークルに入りました。
やるならトコトン！というタイプなので、大学4年間はしっかりダイビングを楽しむために、ダイビング器材を一式購入しました。
でも、そのダイビング器材が手元に届く前にサークル自体がなくなっちゃったんですよ。

えっ、それは何でですか？

ちょっとした大人の事情ってやつです（笑）
とまぁ、器材も揃っているので後戻りもできず、プライベートで友達とダイビングを始めて、今も続けています。

よく何十万円もする器材を学生のうちに思い切りましたね。

先行投資で買いました。長く続けるつもりだったので毎回器材をレンタルするより安くつくと考えて。

確かにレンタルし続けるより安くつきますね。
沖縄という環境下にいたら、頻繁に潜りに行くでしょうから、メンテナンスも難しくないですしね。

それにしてもなんで沖縄の大学に入ったんですか？もともと県外にいたなら沖縄の大学ってなかなか見つける機会ないだろうし。

中学の修学旅行で沖縄を訪れた時に体験ダイビングをしたんです。実はその修学旅行では、安全面などを考慮して体験ダイビングが認められてなかったんです。でも、どうしても沖縄の綺麗な海でダイビングをしてみたくて、校長先生に「水泳部だけ修学旅行でダイビングするのを許可してくれないか」と直談判しにいきました。

結構アクティブですね。（笑）

それで許可を貰って沖縄でダイビングを体験することが出来ました。その時の海の綺麗さがすごく記憶に残っていて、沖縄には良いイメージをいだいていたんです。新しい土地に行くのも好きだったので、大学進学の時には住んでいた佐賀県を出て、どこに行こうか悩んでいました。

それですんなり沖縄に決めたんですか？

いえ、京都と迷っていて散々「京都がいいかな、沖縄がいいかな」って悩んだ結果、沖縄にしました。決め手は、沖縄の綺麗な海でしたね。

じゃあ、ダイビングを本格的に始めたのは沖縄の大学に通い始めてからだけど、その前に沖縄で体験ダイビングは経験していたから、沖縄の海の綺麗さや魅力というのは知っていたんだね。

はい。水泳をやっていたので水中の世界が好きで。よくないですか？水の中は。

僕も水中にいるほうが好きですね。陸にいるより（笑）

そうですよね。なんか干上がってきません？一週間も海から離れていたら（笑）

うん。厳しいですね。一週間も海から離れてたら、どうしていいか。とりあえずチャポって水に浸かりたくなりますね。

私我慢できずにジムのプールに駆け込むことがあります。全然違いますが（笑）

RINAさんは今はタレント活動もしているんですよね。タレント活動自体はいつから？

タレント活動は大学の3年の時にスカウトされて始めました。

今は県内だけでなく県外でもタレントの仕事しているみたいですもんね。

はい。全国放送の番組に出させて貰ったりしています。それも海に関する番組なんです。今後は海関係のお仕事も増やしてしていきたいと思っています。水中モデルとか。

皆さん有名になると沖縄から離れて東京とかに行っちゃいますよね。水中写真家も同じで有名なかたはみんな県外に出ちゃうんで、あまり沖縄に住んでいる水中写真家って多くないんですけど、それでも僕は沖縄が好きなんで今もいるから、同じように沖縄が好きで潜り続けているRINAさんみたいな人がいると嬉しくなりますね（笑）

そうですね。上出さんは東京にいる時からダイビングされてたんですか？

僕は大学４年の時にダイビングを始めて、サラリーマンやりながら週末は海に通って、２０１２年にインストラクターになって平日はサラリーマン、休日は横浜のショップでガイドや講習のお手伝いをしてました。

そサラリーマンをやりながらダイビングのインストラクターとは、本当に海が好きなんですね。
ダイビングをはじめたきっかけは何だったんですか？

大学生の時に初めてシュノーケリングで海の中をのぞいて、めちゃくちゃ魚がいることに感動したんですが、お金がなくてダイビングは先延ばしにしてました。その後、大学４年の時に、会社に内定して、その集まりの中にいた、ダイビングが趣味の女の子に恋をして、その子とダイビングの話をしたくてダイビングを始めました。

動機が青春ですね（笑）結局付き合えたんですか？

はい。付き合えましたね。

すごい！！作戦成功ですね！

その後一緒に潜ったりしたんですが、途中で僕が水中写真にハマってしまいまして、彼女に「あなたと潜っていても、一緒に潜っている気がしない」って言われまして、結局お別れしましたね。

ええ！本末転倒ですね。

でもダイビングを始めるきっかけをくれたいい思い出です。

ダイビングを始めるきっかけって本当に人それぞれですね（笑）

私は沖縄以外でダイビングをしたことないんですが、沖縄県外の海を知る上出さんから見た沖縄の海の魅力ってなんですか？

やっぱり沖縄の海の幅ですかね。例えば、粟国島でギンガメアジ(*1)の何千匹群れを見たかと思えば、浅場にいけば綺麗なサンゴがいたり、さらに岩陰をのぞくと可愛いカエルアンコウ(*2)がいたり。ワイドな写真からマクロの写真まで撮れるっていうのは写真家としてはとっても恵まれた環境だと思います。

確かに沖縄の海はただ潜るだけでその綺麗さにワクワクしますね。水深３０ｍでも水面が見えるほど透き通っていて、天気のいい日は、海の中にも陽が差し込んでとても幻想的な光景が広がりますよね。水温的に５ミリのウエットスーツでも通年潜れるっていうのもポイント高いです。

そうですね。でも僕は最近からドライスーツを着てますけどね（笑）水中で撮影しているとあまり体を動かさないので寒くなってきてしまうので。

パフォーマンスにも影響してきますもんね（笑）

手が震えて撮影どころじゃないですね。

でも、カメラに集中しすぎちゃってハプニングとかありませんか？

たまにありますね。

水中でハプニングが起きた時ってどう対処してますか？

一度深呼吸をして心を落ち着けてから対処するようにしていますよ。RINAさんはどうしてますか？

私は、”フワァッ”としてます（笑）フワァッとしたら大体のことは大丈夫ですね。

フワァッですか？！独特の表現ですね（笑）

一瞬すべての思考を停止して無になってます（笑）水中でパニックを起こすと命の危険に繋がるので、取り敢えず一旦考えることをやめることにしています。

冷静さを失わないってことですかね？

そういうことです（笑）
ダイビングを始めた時にインストラクターの人に言われたのが、何が起きても『あれぇ〜？〇〇なっちゃった〜。』くらいの落ち着きを持っていれば大体のことは対処できると教わりました。

恐らく表現は違ど僕と一緒ですね。（笑）

そうですね。

私最近、水中写真にハマっていて、普段はOLYMPUSのTG−5にハウジングをつけて使っているんですが、上出さんにぜひ水中写真のコツを教えて頂きたいです。

可愛い写真ですね。カエルウオが隠れている場所も可愛らしいです。この写真にアドバイスをするとしたら、「背景」ですかね。撮影する角度を少し変えて、後ろをガレや岩盤じゃなく青い海抜けにすると明るい写真になります。

なるほど。確かに全体的に暗い写真ですもんね。

他にも、ライトを当ててあげるとより綺麗に写ります。そして生き物に近づく時はなるべく吐いた泡で驚かさないことも大事ですよ。

確かに。インストラクターの方に教えて貰ったんですが、このカエルウオは本来の色ではなく少し警戒している時の色らしいです。次回から参考にします！

上出さんインスタに載せているのこの写真好きです。お魚のつぶらな目と表情がたまりませんね。でもインスタをよく見ていくと、ウミウシの写真が割と少ないですね。

実は…。もともとウミウシが苦手なんです。

ナメクジやカタツムリと同じだと思ったらどうですか？

いや、より苦手ですね。

ふうむ。私その辺触れる気がします（笑）

RINAさんは好奇心が旺盛ですね。なんか僕が忘れてしまった少年心を持っている気がします。

それって良いこと何でしょうか…。

でも水中カメラマンである以上、それではいけないと、３年前にウミウシの可愛さを見つけるために「ウミウシを好きになろうキャンペーン」と題して挑戦してみました。そこで気がづいたのは、やっぱり綺麗なものは綺麗だけどそうじゃないものは・・（笑）

なるほど（笑）でもインスタの写真ではウミウシとっても可愛く写ってますよ。その成果なんでしょうか。

はい。最近はウミウシも撮影するようになってきました。なによりウミウシは色んなとこにいて動きも遅いので撮影しやすく、写真の練習にオススメですよ。

なるほど。今度ウミウシさんに被写体になってもらって練習したいと思います。

これは私が撮ったお気に入りの一枚なんですがどうでしょうか？

これは印象に残る一枚ですね。自分が心を動かされてカメラを向けたということがよく伝わる一枚です。こういう素直な感性は大事にしてほしいです。

高評価で嬉しいです。
沖縄の海の中は、色鮮やかな魚や、サンゴがたくさん生息していて、心を動かされたままにシャッターを切っても素敵に映るんですね。なんと水中カメラ初心者に優しい海なのでしょうか（笑）

先ほどのカエルウオの時にアドバイスした、「背景が青い海」というのが実践されているのでとても良いと思います。
水中写真が皆さんのダイビングの楽しみの１つになってくれるといいですね。

そうですね。ダイビングの楽しみ方って一つじゃないと思います。ただ、海に潜ってその環境に癒されるのも良し、水中写真を撮るも良し、新しい生き物を探したりするのも良し…。ダイビングって手段のひとつだと思うんです。

なんかかっこいいです(笑)

ダイビングで何を楽しみに行くか。ダイビングの先にさらに何か楽しみがあるとずっと長くダイビングを楽しめると思います。

そうですね。やはりダイビングに魅了された者としては皆さんにダイビングを長く楽しんで欲しいと思います。

ダイビングをしたことがある人もない人も、是非沖縄の海に遊びにきて欲しいです。沖縄の海は飽きることのない魅力溢れる海なので。皆さんにはその魅力にどっぷりと使って頂きたいです。

僕たちみたいに移住しちゃうかもしれませんね（笑）

ふふふ。皆さん、沖縄の海でお待ちしています（笑）その際にはとっておきの一枚をお忘れなく！