沖縄県内のダイビングスクールのスタッフさんに聞いた、安全なダイビングショップの選び方!

こんにちは!
沖縄生まれ沖縄育ち、ダイビングに憧れるライターのシロマです!
この夏、「ダイビングで自由に泳いで綺麗な海の中や生き物を見てみたい!」と思い立ち、シュノーケリングや体験ダイビングにチャレンジしてきました。
海の中を自由に泳いで綺麗な景色や生き物を見るという目標に近づくためにも、いよいよ「Cカード」というライセンスを取得することを決意。
とはいえ、Cカードという言葉も初めて聞くし、そのライセンスはどこで、どのように取ればいいのかもよく分かりません。
いろいろと調べてみても、ショップによって値段は様々だし、何をポイントにショップを選べばいいのかますます分からなくなるばかり。
それでもウミガメを見ることを諦められないので、実際にダイビングスクールの方に聞いてみることにしました!
この機会に、「Cカードってどんなものなの?どうやってショップを選べばいいの?」という初心者の疑問をぶつけてきます!
僕の疑問に答えてくれるのは「ダイビングスクールマレア沖縄店」さん

今回Cカードやショップ選びのコツを教えてもらえることになったのは、「ダイビングスクールマレア沖縄店」さん。
マレア・クリエイトさんは、沖縄を含む全国に12店舗を展開する「ダイビングスクール マレア」を運営されている業界大手の会社。
ダイビングの教育プログラムを開発する「PADI」という指導団体を採用する日本全国に500店舗あるスクールの中で、たった1店舗だけが受賞できるもっとも優秀な賞である「PADI全国最優秀賞」を、当時史上初の2007年と2008年の連続受賞、そしてその記録を塗り替える2016年から2018年の3年連続受賞という記録を打ち立てた、実績のあるダイビングスクールです。
スタッフのみなさんも、ダイビングの専門学校出身の方が多いそうで、基礎からきちんと学んでいるスペシャリストが揃います。
教育機関に何度も認められたスクールとあれば、安心してショップ選びのコツを教われますね!

沖縄でも那覇市と宜野湾市の2拠点でスクールを展開していて、沖縄のダイビング事情にもきっと詳しいはず!ということで、さっそく質問させてもらうことにしました。
やってきたのは沖縄県宜野湾市にある「宜野湾マリン支援センター」

インタビューのためにやってきたのは、宜野湾市にある「まりりんぎのわん・宜野湾マリン支援センター」。
(株)マレア・クリエイトさんが指定管理者を務める施設で、「沖縄の海洋環境や生物をよりくわしく知ってもらうための各種講座や体験学習の機会を提供する場」として運営されています。
ダイビングのライセンス取得や講習はもちろんのこと、会議室のレンタルや併設されたレストランでのお食事など、ダイビングを中心とした様々なシーンで利用できる多機能な施設。
地元のハーリー大会の運営もしているとのことで、地域にも積極的に貢献しているのだそう。

マレア沖縄店さんとしては、那覇市辻と宜野湾マリン支援センターの2拠点でスクールを展開されていて、こちらはプールを利用できる重要な施設となっています。
そもそもCカードやダイビングログってなに?

そしていよいよインタビュー!
僕の疑問を解消してくれるのは、まりりんぎのわん・宜野湾マリン支援センターでセンター長を務めていらっしゃる、(株)マレア・クリエイトの佐藤太一さん!

佐藤太一さん(マレア・クリエイト、まりりんぎのわん・宜野湾マリン支援センター)
PADIインストラクター。
ダイビング歴14年で、ダイバー育成人数1600名を超えるベテランダイバー!


佐藤さん、初めまして。今日はよろしくお願いいたします!

初めまして!よろしくお願いします!

佐藤さんはよくプライベートでダイビングもされているんですね!

休みの度にどこかで潜っていますね!
東京から沖縄に来たのですが、沖縄はダイビングスポットがたくさんあって、天候が悪くなければどこかしらで潜ることができるので、どれだけ潜っても飽きませんね!世界中の海を見てきた僕も驚くほどの美しい海がたくさんあって楽しめてます。

いつでも県内のどこかの海でダイビングできてさらに世界トップクラスで綺麗なんて、今までダイビングしなかったのをもったいないと思っちゃいました。
よく聞くCカードって、一体どんなもの?


さっそく質問させてください!ズバリ、Cカードってどんなライセンスなんですか?

お、いきなりですね!笑 「Cカード」は「Certification-Card」の略で、よくライセンスと呼ばれていますが、”免許証”というよりも”証明書”のような意味合いが強いものとなっています。その人が定められた時期に定められた場所で定められた講習を受けてきましたよ、ということを証明するものです。

なるほど。海に潜るための免許かと思っていました。例えばどんな講習を受けたことを証明する必要があるんですか?


シロマさんがこれから取得する「オープン・ウォーター・ダイバー」というランクでは、自分でダイビングの計画を立てて、トラブルをきちんと回避しながら状況の良い海でダイビングを楽しむことができるようになってもらう講習を受けたことを証明するものになります。

講習内容は、まず学科講習で必要な知識を身につけて、安全なプール実習で練習をしてから、実際に海へ出る海洋実習まで、3日程度で学んでいくことが多いですね。さらにレベルの高い条件でのダイビングにチャレンジするなら、より高度なランクのCカードを取得していくことになります。

ダイバーのみなさんは、みんな初めにこの「オープン・ウォーター・ダイバー」を取得してスタートしていくわけですね。

正確にいうと、「オープン・ウォーター・ダイバー」というのは私たちマレアが採用している「PADI」という指導団体での呼び方で、その他にも「NAUI」や「BSAC」という指導団体ではそれぞれ違ったランクの呼び方があるんです。

Cカードと指導団体によっての違いは呼び方だけですか?

大きく違うのは教材ですね。本なのかプリントなのかという違いや、DVDが必須なのか、購入しなければいけないのかと、指導団体によって様々です。とはいえ、国際的な安全基準に基づいた「Cカード協議会」という協会に加入している指導団体がほとんどで、どの指導団体は危ないということはありませんのでご安心を。

講習のプログラムを開発する指導団体を束ねる協議会がしっかり監査しているわけですね!それなら指導団体によって安全性が変わるなんてことはなさそうです。

それに加えて、Cカードは国際的な基準を満たしているものなので、基本的には世界中のほとんどの国でCカードとして使用できるようになっています。

おお!それは大きな魅力ですね!
Cカードを取得してからがダイバーの始まり


Cカードの概要についてはなんとなく分かってきました。ちょっと気になる事があるんですが…

お!どんな事ですか?

自動車の運転免許のように、Cカードを取得してからある期間が経過すると更新する必要がありますか?

良い質問ですね!実は、Cカードは1度取得してしまえば、更新などの必要はありません。

え!そうなんですか!?しばらく潜らなかったら忘れてしまいそうですね。

シロマさんが心配しているように、ダイビングはしばらくやらないでいると知識やスキルを忘れてしまう事もあると思います。先ほど免許ではなく証明書とご説明したように、Cカードは規定の講習を受けたという証明であって、その人に技術がある事を認めるものではないんですよ。

それはちょっと怖いですね。

「旅行の時にCカード取得したけど、結局次のダイビングまでに3年期間が空いてしまって、全然覚えていない。」なんて事もよくあるんです。そんなライセンスを持っているのに、どうダイビングに再チャレンジして良いか分からなくなってしまう迷子ダイバーさんには、もう一度復習できるように講習をオススメする場合もあります。

なるほど。自分の状態をしっかりと考えながら、知識やスキルを継続的に更新していく意識が必要ですね!

そうなんです。ダイビングのCカードに憧れて取得するのも素晴らしい事なのですが、何よりも「ダイビングをしっかりとした趣味にするためには」という長期的な考え方でCカード取得にチャレンジすることが望ましいですね。例えば、シロマさんのようにウミガメを見てみたいというのも良いと思います。その目標を着実に、そして安全に叶えるために、長期目線でダイビングを楽しんでいただけると嬉しいと思います。
ダイビングログってどんなことを記録するの?


Cカードについてインターネットで検索していると、「ダイビングログ」という物を発見したのですが、これってどんなものですか?

簡単にいうと、ダイビングの記録を記入する手帳のようなものです。その意義は大きく2つあって、1つはダイビングの経験を証明するというものです。

経験というと?

例えば、シロマさんがダイビングショップのスタッフに「僕は100本潜った事があるので、上級者ポイントに連れてってください」とお願いした時、ダイビングショップにそれをどう証明すると思いますか?

えーっと、Cカードでは…

残念ながら先ほどもお伝えしたように、Cカードは講習を受けた証明書なので、取得した後に、その人がどれだけダイビングを経験したのか、逆にいうと全然潜ってないということも証明することはできないんです。そこで、ダイビングログを確認すると、その人が潜ってきた経験を証明するひとつの基準になりますよね!

なるほど!Cカードを補う意味ですごく重要ですね!

そうなんです。もうひとつの意義は、自分自身の経験を振り返ることができるというところです。ログには、水温や水深、どんな装備か、波はあったのかなどの海況を記入するのですが、そうすると、その日のダイビングを始める前に、以前似たような海況の日があれば思い出してコンディションのチェックができますよね。

これもダイビングをより安全に行うために重要なことですね。

安全性を向上させるだけでなく、どんな生き物と出会えたかなど、楽しい経験も自分なりに記録しておけばダイビングがさらに楽しくなりますよ。水中写真が好きな人は、写真も付けてみたりなんかすると、より素晴らしいダイビングログになりますよね!


おー!それは楽しそうですね。ダイビングログは義務付けられているものですか?

義務ではありませんが、マレアではツアーの最後には、必ず記入してもらう時間を設けています。ショップとしても、これから長くダイビングを楽しんでもらうためには大切なものですし、ダイバーが経験を証明できないとなると希望するポイントで潜れないなど、いつか損をしてしまうことになるので、記入することを強くオススメしています。最近はアプリで記録している人もいます。

記録をつけておく方が絶対にお得ですね!

お仕事としてダイビングをしたい方やインストラクターになりたいという方は、どうしてもこれまでのダイビングの経験を証明する必要がありますので、特に重要です。
スクールのスタッフが答える、Cカード取得のためのショップ選びのコツとは?

ここまでは、Cカードやダイビングログの概要について、細かく教えていただきました。
ここからは、これを読んでいる方がもっとも気になっているであろう、「Cカード取得のためのショップ選びのコツ」について、ベテランインストラクターである佐藤さんに教えていただきます。

Cカードやダイビングログの重要性や意義はよく分かってきました。僕が一番気になっていることなんですが…
どうしてショップごとに講習の値段が違うんでしょうか?インターネットでショップ選びをしていても、値段が様々で本当に安心なのが、どのお店なのか全然わからなくて…

これは初心者ダイバーさんが気になるところでしょうね。色々な理由があるのですが、多くの場合は「その値段でどこまで含まれているか」ということです。

どこまでというと?

例えば、先ほどお伝えした指導団体によって教材が違うということも関わってきます。私たちマレアが採用しているPADIのように必ずDVDと本の教材を購入して自分で何度も確認できるようにしないといけない指導団体もあれば、教材のコピーで済ませるのも認めている指導団体もあります。

なるほど。指導団体によっても変わってくるんですね。


これは必ずしも良し悪しで言えることではありませんが、ショップ単位でいうとホテルから海までの送迎がついていなかったり、店舗を持っていなくて学科講習やログ付けを港や車でやっていることもあります。そうすると、自分でレンタカーを用意する必要があったり、少し急ぎ足での講習になってしまったりという事が考えられますよね。

海の外での質が変わってきそうです。

海の外だけではありませんよ。これは安全に関わることですので、すごく重要ですが、1人のインストラクターが指導やガイドする人数も重要です。低価格の値段に料金を設定してしまうとショップ側の利益を残すために、1人のインストラクターで5〜6人もの生徒さんを受け持たざるをえなくなってしまいます。

1人で5〜6人は、少し多いように感じますね。僕はダイビングが初めてなので、少し不安です。

そうですよね。例えば、私たちはどれだけハイシーズンでも2人の生徒さんに1人のインストラクターがつきます。1人でいらっしゃるともちろんマンツーマンです。3人グループでの受講で2人と1人で別れてしまう場合は3人での受講が可能ですが、基本的にはどれだけ多くても2人の生徒さんに1人のインストラクターでの体制です。

それは初心者でも安心して、受講できますね。

加えて、マレアでは講習の中にプール講習を含んでいます。


お!この大きなプールと深いプールを使うんですね!

そうですね!沖縄は様々な設備的な事情があって、プール講習を行えないショップさんがほとんどです。プールを持っているショップはありませんし、もしかするとホテルのプールを利用するショップもあるかなという感じです。石垣島店は利用できるプールがなかったので、現在は新たなダイビングプールの建設を計画しているほどプール講習にこだわっています。

すぐ海に出るよりもすごく安心します。

初めての方にとって、安心してもらえるのが何よりです。海に出るときにも、ビーチダイビングといって浜から海へいく場合は無料ですが、ボートでポイントまで行ってから潜るとなるとその分費用がかかりますよね。お客さんがCカード取得後にいざダイビング に行くとなると、ほとんどがボートでのダイビングになるため、マレア沖縄店での講習はボートダイビングを採用しています。でも、ボートはオプションというショップさんも多いですね。

なるほど。重い機材を背負ってポイントまで行くのはちょっときつそうなので、嬉しいサービスかもしれません。

きついということでいうと、取得するまでに必要な期間も重要です。短い期間で取得できるというショップでも、講習自体が急ぎ足になってしまって、せっかく受講したのによく理解できなかった、不安が残ったということになっては意味がありませんよね。

そう考えると、ゆっくり教えてくれるショップで取得したいです。

そうですよね。例えば私たちは、3日間コースや飛行機の時間に合わせた3泊4日コースなど、時間にゆとりを持って受講してもらえるようなシステムを用意しています。

3日間かけてゆっくり覚えるなら、僕でも取得できそうです!


ここまでお話ししたように、取得するまでの費用を考えるのに様々なポイントがありますが、安いところはそれぞれがオプションのようなシステムになっていて、結局は同じような値段になるという事が多いようです。

たしかに、しっかりとした講習を受けるためにはただ安いだけでは無理がありそうですね。より良いショップを選ぶためには、どこを確認した方がいいんでしょうか?

確認する方法は色々あると思いますが、まずはホームページをしっかりと見て、何が含まれているのか、どういった設備や流れで講習を受けられるのかというのを確認して、総額や安全性の見積もりを立ててから選ぶ事がコツです。

ただ安いというだけで選ぶのではなくて、しっかりと講習の内容や設備を確認して選びたいと思います!

マレアでは充実した講習を受講してもらうために全て込みのお値段でご提示しています。また、沖縄に住んでいる方にもっと沖縄の魅力を体感してもらいたくて県民割のキャンペーンも行なっているので、ぜひそちらもご利用くださいね。

おお!!県民割があるんですね!沖縄出身でダイビングは未経験という方も多いですし、嬉しいサービスです。
Cカードや講習について、みっちり教えてくださってありがとうございます!最後に、これからダイビングをはじめる方にひとことお願いします!


ダイビングを始める時には、「ウミガメを見てみたい」とか「綺麗な魚と泳いでみたい」など、目標があってチャレンジする人が多いと思います。その目標を叶えるためにも、ぜひ長く信頼してお付き合いできるショップをきちんと選んで、スタートしてください!ダイビングは、一生の趣味として長く楽しめるアクティビティですので、楽しく継続していくような気持ちでいきましょう!!
大きなプールは沖縄唯一!マレア沖縄店さんの設備をご紹介!

Cカードやダイビングログの説明だけでなく、ダイビングの楽しさまで教わることができました!
今回取材させていただいた㈱マレア・クリエイトさんが管理運営されている、まりりんぎのわん・宜野湾マリン支援センターの設備をご紹介します。

まずは、何と言っても大きなプール!地域の方やスイミングスクールに開放もしているそうで、気持ちよく泳いでいる人がたくさんいました。この日は暑すぎて僕も入りたかった。

もちろんダイビング講習のためのレーンも用意されていました。

その大きなプールの隣には、潜水できる4mにも及ぶ深いプールも。上から覗くとちょっと怖くなるくらい、しっかりとした深さのプールでした!いつかここでも潜ってみたいですね。

また、施設の隣ではサンゴを育てる設備もあり、海を安全に楽しむダイビングを教えながら、未来の海を育てる取り組みも忘れない姿勢に感動です。
その他にも、ダイビングの機材レンタルやカヤックなどの大きな設備の倉庫などの、マリンスポーツを楽しむ人にとって嬉しいサービスも充実しています。
さらに、会議室や研修室の貸し出しもされているので、ダイビングスクールやプール利用の方以外もぜひご活用くださいね!
まとめ

以上、インストラクターに聞くCカードとショップ選びのコツでした!
同じCカード取得の講習であっても値段が違うのは、含まれているサービスの内容やどれだけ安全で充実した講習を行うかという質の違いが重要。
- ・その値段で含まれているのがどんな内容か
- ・オプションを含めた総額
- ・講習期間やインストラクターが見る生徒数などを確認
というところが大きなポイントです。
ただ取得できるから良いというわけではなく、信頼して長くお付き合いできるショップなのかを見極めるために、お店が公開している情報をきちんと確認して慎重なショップ選びを行いましょう!