お知らせ Information

平成30年度SDO研修会

認証制度研修会の開催

本年度よりSDO認証制度がスタートし、認証プロショップ50社、認証プロダイバー100名達成へ向けて、沖縄県内各地域のダイビング関連組織と連携し研修会を開催した。

この研修会では認証基準となる救急法と海域でのレスキュートレーニングを必須項目とした内容に加え、最新の日本高圧環境・潜水医学会の情報とダイビング事故に関する法的責任を理解するための研修会を実施した。

各研修会終了後にアンケートを実施し効果測定を行うと共に、顧客ターゲットやニーズのある研修内容についての情報集積を行った。

参加者全員からデータを集積することで、イントラのデーターベースの基礎を構築した。

認証制度の趣旨説明は各地域の理事会で説明し研修会への協力体制が整っているが、参加者全員までには認証制度の趣旨が伝わっていない部分もあり、研修会参加者に対し、認証制度をスタートさせる必要性や登録方法について丁寧に伝え、目標としていた認証ショップ50店舗に対し60店舗、認証プロダイバー100名に対し150名が登録完了し目標達成できた。

平成30年度よりスタートした認証制度はOMSBが各地域と連携し沖縄県警察本部の協力得て認証するもので、OCVBと包括意的業務提携の契約を結び、新たなショップ選びの判断基準として一般消費者や観光関連事業会へ推奨している。

<SDO研修会>

目的:SDOを浸透させ沖縄ブランドの確立を目指す。

実施地域:伊江島、本部町、名護市、恩納村、北谷町、宜野湾市、浦添市、那覇市、座間味村、久米島町、宮古島市、石垣市、竹富町 (13地区16会場)

<研修内容>

救命処置(心肺蘇生法と最新のAEDの使用法)

各地域の協会や組合と消防署の協力を得て、救命処置の研修会を、県内11地域で実施した。

参加者のほとんどがイントラであり、CPRの必要性を十分理解しトレーニングを受けているが、改めて研修会に参加しCPRを勉強することで、現場でCPRが必要にならないように事故を起こさないことが重要と異語同音に意見が寄せられた。

<開催地域・会場>

伊江島、本部町、名護市、恩納村、那覇、久米島、宮古島、石垣市、西表島、

以上9地区(参加人数 412名)

アンケートによる研修会の満足度と理解度

満足度は「とても良かった」「まあ良かった」を合計して98%となり、講義内容についての理解度は参加者の98%が80%以上理解できた。

海域でのレスキュートレーニング

海域やダイビングスタイル・使用する船舶などの各地域の条件に合わせてレスキュートレーニングを実施するために、各地域の協会や組合と連携して海洋でのレスキュートレーニングを実施した。

今回もトレーニングでは、ダイビング指導団体のプログラムと違い、事故後の裁判までを想定し対応ができるように、海上保安庁や警察の取調べで必要となる事故者発見時の時間、呼吸の湯有無の確認、タンクの中の空気の残量、全ての器材の確保、CPRまでの時間確認等の確認と記録を残せるようなトレーニングを行った。

また、使用する船舶ごとに事故者を船へ引き上げる方法が異なることに加え、ダイビングスタイルによっても1人で引き上げなければならない場合、引き上げの手助けをしてもらえる場合、女性1人で引き上げる方法等を、参加者が自主的に考え行動できるトレーニングを行った。

今年度も若いイントラの殆どが、イントラ試験以降レスキュートレーニングに参加していな人も多く、お客様の大切な命を預かっているのだから定期的に研修会したいとの要望が多く寄せられた。

<研修会開催に伴う連携組織>

伊江島ダイビング協会

本部町ダイビング協会

恩納村ダイビング協会

北谷町海域利用事業所協力会

沖縄本島慶良間海域保全協会

美ら海振興

久米島町観光協会

宮古島美ら海連絡協議会

宮古島ダイビング事業組合

宮古島マリンリゾート協同組合

宮古島ダイビング協会

池間島八重干瀬会

八重山ダイビング協会

竹富町ダイビング協会           以上、14団体  (参加人数:160名)

アンケートによる研修会の満足度と理解度

満足度は「とても良かった」「まあ良かった」を合計して98%となり、講義内容についての理解度は参加者の97%が80%以上理解できた。

潜水医学会の再圧治療の考え方と緊急ホットラインについて

DAN JAPANより講師を招聘し10月に開催された高気圧環境・潜水医学会の減圧症に対する高気圧酸素治療(再圧治療)を大気圧下酸素吸入についての見解と、潜水事故発生時の緊急ホットラインについての研修会を行った。

緊急ホットラインの講習会では、世界の各地域の医療資源にさまざまな条件を考慮し、減圧症に詳しい医師と現場で緊急対応している医師へ医学的なアドバイスができるもので、インバウンドダイバーが急増している中、英語でも対応してもらえることの情報。

日本には潜水医学に詳しい医師は少数で、沖縄においても潜水医学専門医がいない現状あり、潜水専門医のアドバイスが重要であり、症状が重く緊急性が高い場合、医師が介入することで、知識や経験の少ない医師に治療方針のアドバイスを提供することの重要性についての情報共有を行った。

<DAN JAPAN>

全世界の5つのDAN(会員数40万人以上)と連携して、万が一減圧障害が発生した場合に「潜水医学に精通した医師」と「再圧治療における治療」を早期に治療できる体制を確立することを目的に、日本医学会からの正しい知識を広めるために活動をしている団体。

<研修会開催に伴う連携組織>

八重山ダイビング協会、竹富町ダイビング組合、宮古島美ら海連絡協議会、本島慶良間海域保全協会、美ら海振興会、北谷町海域利用事業所協力会

以上7団体(参加人数 79名)

アンケートによる研修会の満足度と理解度

満足度は「とても良かった」「まあ良かった」を合計して91%となり、講義内容についての理解度は参加者の91%が80%以上理解できた。

ガイドのダイビング事故における法的責任

日本全国のダイビング事故控訴を、常に事業者側の立場で担当している上野弁護士を招聘し、事故事例や判例から海上保安庁や警察がどのように判断し刑事事件の事案として扱うか、立件された場合99.7%の割合で前科となるため、刑事事件とならないように対応することの重要性について説明が行われた。

紛争予防の講義では

  • 事前の準備

ゲストの適正を把握するために、認定書の確認、ランクや経験、最終ダイビング日時、年齢や病歴、当日の体調・・・等確認が必要なこと

また、ダイビングのリスク告知、ダイビング計画とリスクの告知・・・等を記録として残すことが重要になること

  • 事故後の対応

事実関係を時系列で詳細に記録しておくことで、事業聴取での供述内容が正確なものかを照らし合わせることができる。

ダイビングを知らない警察や海上保安庁の思い込み調書に安易に署名捺印すると刑事事案になってしますので注意をすること

刑事事件となった時の心構えや過失が無い場合の謝罪についての講義も行われ、研修会終了後の質問コーナーでは普段から疑問に思っていることに対しての質問がどの会場でも続き、どの会場の参加者からも来年度も同様の研修会を開催してほしいとの要望が多く寄せられました。

<研修会開催に伴う連携組織>

座間味ダイビング協会、本部町ダイビング協会、恩納村ダイビング協会、沖縄県海洋レジャー事業協同組合、美ら海振興会、本島慶良間海域保全協会、八重山ダイビング協会、以上、7団体(参加人数 59名)

アンケートによる研修会の満足度と理解度

満足度は「とても良かった」「まあ良かった」を合計して91%となり、講義内容についての理解度は参加者の91%が80%以上理解できた。

<講師プロフィール>

上野 園美(シリウス総合法律事務所)

近年、日本で最も多いと言って良いほど、ダイビング事故控訴を事業者側の立場で担当している弁護士

事故がどのような状況でどのように起きたかを知ることは非常に重要ですが、詳細な情報を得る機会はほとんどなく、特に、示談になった事故事例は守秘義務の関係もあり、入手することは困難だが、このような貴重な情報を得ることができる。

実際に起きた事故事例(刑事、民事)の詳細に加え、判例から警察や検察、裁判所の考え方を講義が受けられる。

小島 朗子(DAN JAPAN)

都市型ダイビングショップでのアルバイトとしてダイビング人生をスタート。その後、同ショップでインストラクターとして勤務。2013年にDAN JAPANに入職、2018年より事務局長としてダイビングの安全に携わる

白石 健太(DAN JAPAN)

スポーツ専門学校にてダイビングインストラクターの資格を取得。卒業後(2017年)、DAN JAPANに入職。トレーニング、緊急ホットライン、潜水医療相談を担当。

横井 謙典

ダイビングインストラクーとし35年以上の経験があり、 4年前よりNPO法人コーラル沖縄の講師としてインストラクター対象にガイドダイバーのための魚類学、海洋におけるレスキュートレーニングを担当

プロダイバーのためのガイドライン作成

ダイビング事故は判例も少なく、裁判になった場合も和解して表に出てこないケースも少なくない。 交通事故のように判例か集積すれば、法的な責任の基準も明確に定まってくるであろうが、ダイビング事故の場合、紛争解決の基準かわかりにくい。

ひと言でダイビング事故といっても多岐にわたるか、今回のガイドラインでは、沖縄県のダイビング事業者の業態 と、最も早急な対応か必要と思われるファンダイビングのガイドという職業についての法的責 任の解説と判例を分析し、ガイドの行動指針を定立するための材料となることを目指し作成した。

ファンダイビングの事故でしばしば争点となる、ガイドの「 注意義務」  だが、業界内でのコンセン サス、ガイドとゲストの間の合意形成が不十分であり、明確化かが求められている。本来、ダイビング業界やガイドを代表する組織が内容を吟味するべきだが、ダイビング産業の構造問題から十 分な議論がなされていないのが現状あり作成した。

目次          <別添資料 1>

第一章 ガイドの職業的リスク

  1. スキューバダイビングとその業態の特性
  2. ダイバー認定制度 現状と課題
  3. ガイドのリスクとガイドラインの必要性

第二章 ファンダイビング事故の法的責任

  1. 知っておきたいガイドの法的責任
  2. 判例分析に基づくガイドの義務
  3. その他のガイドの法的配
  4. ガイドライン作成のポイント
  5. 事故後の対応と法的責任

ダイビング事故判例と解説

緊急行動・参考資料

別冊として「ダイビングガイド・ハンドブック」法的責任から考える紛争予防ガイドラインを500冊作成し、SDO研修会で配布した。

動画によるダイビングガイドマニュアルの製作

これからダイビング業界に踏み出そうとする新人ガイドに対して、サービス業の心得とダイビング業界に必要な知識と技術を、動画を使用することで効果的に学習するために多言語のマニュアルを製作した。

 

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